【新刊】ダヨオ『悪人の躾け方』レビュー!
バリタチの悪態社長が若造にアンアン啼かされるスピンオフ!
《解説》
『YOUNG BAD EDUCATION』シリーズや『肉食組曲』のダヨオ先生の新刊。『ロンリープレイグラウンド』のスピンオフです。横柄な悪態社長の雨津木正継と、彼を手中に落とそうとする生意気な若造の針間一郎が描かれます。
《コメント》
前作の『ロンリープレイグラウンド』の当て馬というかヒールだった雨津木。『ロンリープレイグラウンド』下巻に入ってた『悪人の縛り方』では雨津木がメインに描かれてて、美味しいところを見ごとにかっさらって行ったんですよね〜!いろんな意味でズルい男です、雨津木は!
メインカプを食っちゃうほどの勢いで、筆者の周りでは「彼の続きが読みた〜い!」と大反響でした。『ロンリープレイグラウンド』ではクズなドSのバリタチだった雨津木が、若造に縛られてアンアン啼かされて泣いてるんだから、こんなのBL好きは飛びついちゃいますよね!!
そのインパクトが強かった『悪人の縛り方』の雨津木と生意気な若造の針間をメインにしたお話です。どっちもイケてて悪い男風で、攻め×攻めなのがいいですよね。まあ、雨津木はもはやお姫様にしか見えなくもないですが。
社長の雨津木の会社で清掃員として働く、謎の男・針間がミステリアスでブレないSで、雨津木を完全にねじ伏せてる具合が良いです。そして、ストーカーなほどド執着で、雨津木をロックオンしている愛の強さも安心できます。じわじわと雨津木が陥落…いや、初めから陥落してますが、それを恥じらいながら受け入れていく姿は、おじさんなのにかわいいです! 抱かれてる姿ももちろんかわいくて、ツンデレネコのおじさんのかわいさと色っぽさたるや!!
そして、ミステリアスな針間の背景は、あっと言わせられつつ納得。どこまでもカッコよくて頼れる年下攻めですね。『悪人の縛り方』を読んだ時に、この2人だとこんな雰囲気の作品がいいなぁとふわっと抱いた期待が、そのまま形となって読むことができたという満足感がありました!インテリアや衣装もラグジュアリーな世界観が楽しめる一冊です。
《ストーリー》
20年バリタチでやってきた雨津木正継は、雇っている清掃員にいいように抱かれているのが屈辱でたまりません。その清掃員は余裕たっぷりで生意気な、逞しい体躯の若造・針間一郎です。彼に口説かれ、のしかかられる受け身の快楽は、不覚にも体になじんできてしまった気がします。しかし、ヤツのことなど俺は絶対認めない!あんな憎たらしい男の手に落ちてたまるか!と抵抗する雨津木は……。
(文/松川水七見)