コミック

【新刊】内海ロング『オオカミくんのはずかしい』レビューをお届け!

はみ出した者たちが寄り添う優しい物語


《解説》
『偏愛ディテクション』や『愛されたがりの処方箋』などの内海ロング先生の新刊コミックス。アラサーの元ヤクザと野生児の大学生が描かれます。


《コメント》
優しいタッチの作品を手掛けるイメージの内海ロング先生の極道ものは初めて読みました。でも、いい意味でイメージを裏切らない優しい物語です。
流されて生きてきて極道ものになった廉太郎ですが、根は優しくて良い人なことが伝わってきます。彼が出会う銀は、極道ものの廉太郎よりもインパクトがあって個性的なキャラクターです。身体能力が高い野生児の男の子。純粋で表情豊かでかわいいです。そんな子が目をキラキラさせて、廉太郎に一目ぼれして慕ってきます。まっすぐな瞳でまっすぐな気持ちを向けられてしまっては、無下になんてできませんよね。


突飛な行動が多くて、浮世離れした銀ですが、徐々にその背景がわかってきて、切ないです。それを知って廉太郎はますます銀を愛おしく思うように。ちょっと世の中からはみ出た2人が寄り添うあったかいお話です。銀も廉太郎も成長が描かれているのも良かったです。あと!廉太郎の髪下したところに萌えました。普段オールバックの人が髪を下ろしている姿、性癖です。


《ストーリー》
下っ端ヤクザとして生きてきた廉太郎は、組の解散を機に心機一転して新しい人生を歩もうと田舎町へやってきます。そこで出会ったのはちょっと変わった野生児・銀でした。ヤクザ時代に身に付いた習慣で返り討ちにしたのが悪かったのか、以降、廉太郎は銀に付き纏われるように。常識外れの言動に圧倒されつつも、真っ直ぐな感情を向けてくる銀に、惹かれていく廉太郎。そんなある日、廉太郎は銀の衝撃的な生い立ちを聞いてしまう……。
(文/金子ほの花)

金子ほの花

ファンタジーやケモミミも大好きです!