【新刊】古矢渚『SとN』レビューをお届け!
いつもの古矢先生とちょっと違う、メンタル強い後輩くん!
《解説》
『君は夏のなか』や『群青のすべて』などの古矢渚先生の新刊コミックス。DKのさわやかな青春BLを描かせたら右に出るものはいないと言われるほどの古矢渚先生の新作に期待が高まる人も多いハズ。高校3年生の名取と彼に一目ぼれしたと告白してくる後輩・瀬戸口が描かれます。
《コメント》
大好きな古矢渚先生の高校生の青春BL。後輩の瀬戸口がメンタルつよつよでグイグイいきます。名取は嫌がるものの、根がいいやつなので本当に心へし折ったりはしません。瀬戸口も猪突猛進型に見えて、名取の状況や都合をちゃんと考えてあげてて健気です。
そんなところを名取も気づいてあげるし、いつしかウザい瀬戸口の目が自分だけに向いていないともやもやするように……。お約束だけど、高校生のさわやか青春BLは何度読んでもいいものですね!今回はとくに年下攻め(仮)の瀬戸口がめげずに頼もしいところがさらに爽快です。
元気いっぱいのDKおっかけっこが楽しい!
瀬戸口はバイのようで恋愛対象の性別を気にしないタイプ。一目ぼれしたことを相手の名取にも伝えて積極的に追っかけます。つまり、出会いが恋愛絡みから始まってるので、「友だちだと思っていたのに、それ以上の気持ちが……この感情は何!?」という例のパターンではないわけです。そこのところがいつもの古矢先生作品とちょっとテイストが違っているように感じるかもしれません。
でも、そのぶんモヤモヤもだもだは少なく、元気いっぱいのDK追っかけっこBLが楽しめます!気分転換にポジティブですがすがしいものを読みたいときにはもってこいなのじゃないでしょうか。
《ストーリー》ある日、残りの高校生活を平穏に過ごそうとしていた高校3年生の名取に突然ラブの意味で告白してきた見知らぬ後輩・瀬戸口。当然丁重にお断りをさせていただいたけれど、その日から瀬戸口のゆるやかな猛アタックがはじまります!! どれだけ手厳しく突っぱねてもノーダメージなうえ、諦める気はさらさらないと笑顔で断言する瀬戸口に名取は頭を抱えます。それは一方的で鬱陶しいとまで思っていたはずの小憎たらしい後輩に“それ以外”の感情が芽生えはじめたのを自覚してしまったからで……。
(文/牧島史佳)
(情報は記事公開時のものです)