【新刊】鯛野ニッケ『寄宿舎の黒猫は夜をしらない 上』レビュー!
ヴァンパイアの匂いを漂わせながら、ギムナジウムものというか学園ものとして進行していき、ある時、一気にヴァンパイアものの展開が! 読む者までヴァンパイアに襲われたような衝撃と、背徳的で甘美な快感がブワッと走ります! これから読む方はどうぞ、この衝撃と快感を楽しんでくださいね。
快感の後はジーンの切な過ぎる苦悩がヒシヒシと。あと、パベルくんの切なさも……。下巻ではどのように展開して、どんなラストが待ち受けているのでしょうか? みんなハッピーになって欲しいと願っています!
ギムナジウムものとヴァンパイアものの面白さを兼ね備えた『寄宿舎の黒猫は夜をしらない 上』。ドキドキと切なさで引き込んでくれてオススメです。鯛野ニッケ先生は物語もさることながら心情表現も上手いし、さらにその世界観を構築するのもお上手な作家だとつくづく感じました! そこも楽しんでくださいね。
《あらすじ》
世界中から良家の子息が集まる寄宿学校、ブラン・カレッジハイスクール。1年Aクラス・Xハウスに所属するユキは、学年トップの奨学生(カレジャー)です。誰ともつるまず孤高の存在のユキに物怖じせず話しかけるのは、代表監督生(ヘッドボーイ)のジーンだけ。彼は生徒たちの憧れの的で、絶対的な存在となっています。ある日、同級生のアウラが学内で何者かに襲われてしまいます!! その首筋には、まるで吸血鬼に嚙まれたような奇妙な傷痕があって……!?
(文/牧島史佳)
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