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【新刊】『さよなら共犯者 上』(あがた愛)レビュー!

目の大きな男子高校生が健気で切ない!

《解説》
『僕は君のいいなり』や『僕等に名前をつけるなら』などのあがた愛先生の新刊ボーイズラブコミック『さよなら共犯者 上』。上下巻同時発売の上巻です。何かから追われている謎の男ヒロセと、孤独でひたむきな男子高校生のはじめが描かれています。「この“逃避行”が終わるまでは好きでいさせて。」というキャッチコピーも切ないBLです。


《感想》
孤独なもの同士が社会の片隅で寄り添う姿にめっぽう弱くて…! 切なくて胸がギュウ〜となりました。


表紙やキャラクターのビジュアルを見て、小柄で目の大きいほうが年上で、デカいほうが年下攻めなのかな、となんとなくイメージしていたら、逆でした。小柄なほうが男子高校生のはじめで、片方のほうが大人のヒロセです。


高校生のはじめは裕福な何不自由ないように見えるお坊ちゃんだけど、それだけにクラスで浮いてて孤独で。彼がネコを探していて出会ったヒロセと名乗る謎の男も、何かから身を隠していて、彼もやはり孤独で。


はじめはヒロセのことが気になって、ヒロセにだけは本音を話せて、どんどん惹かれていくのが伝わってきます。大きな目でハッとする表情をするんですよね。意外と気丈にふるまってて、芯が強そうなところも魅力的です。


ヒロセは飄々としてるけど大人の節度をわきまえてて、はじめを利用しようなどとはしないところは誠実だけれど、逆に冷めた距離感も感じてしまいます。でも、同時にはじめにほだされていってるようにも…。


彼らの運命はどうなっちゃうんでしょうか? ヒロセは何者で何から身を隠してるんでしょう? 事件? それとも人間関係? 金銭的なこと? 気になりつつ下巻を読みたいと思います。


それと、この上巻ではエロはないかなと思ったんですが、ちょっとエロありました。でも、はじめの想いが切なかったです。高揚して色っぽい顔になってるところが健気でギュンとなりました。


孤独な謎の男と孤独な男子高校生を描いた切ないBL『さよなら共犯者 上』。はじめもヒロセも好感持てて好きになったので、幸せになることを願ってます。2人にハピエンが訪れますように!

《あらすじ》
大手企業の跡取り息子・はじめは、家柄ゆえに何となくクラスに馴染めず、かわり映えしない日常を送っていました。そんなある日、はじめはヒロセと名乗るスーツ姿の怪しい男と出会います。自分のことを何も知らない相手に居心地のよさを覚えたはじめは、「追われている」と冗談交じりに告げるその男に、すっかり心奪われてしまいます。けれどヒロセは、いつどこへ行ってしまうかも分からない男です。不安を抱いたはじめは、家出同然でヒロセに着いていくことを決めるのですが……?

(文/松川水七見)

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松川 水七見

まつかわ・みなみ BLならなんでも好きな猛者です!甘々から闇系まで美味しくいただけます。

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