《新刊》『百年でただ一度だけ恋した』(ARUKU)レビュー!
レールのないジェットコースター!?ARUKU先生節全開!
《解説》
『嫌い、大嫌い、愛してる。』や『明日屋商い繁盛』などのARUKU先生の最新BLコミックス『百年でただ一度だけ恋した』。クソがつくほど真面目で不憫な境遇の詩彦(うたひこ)と、彼が出会い系アプリを通して出会ったイケメンでスパダリで王子様キャラの「ミャオ君」が描かれます。
《感想》
出た~! 今回もやられちゃいました! ARUKU先生節全開ですっ! ARUKU先生の作品は一言で何系と言い表せられなくて、個性的なんですが、一度その世界の虜になったら他では得られなくてクセになっちゃいます。作家買いしてる大好きな作家です。
今回も主人公の境遇は悲痛なもので不憫です(“も”というのはなんですが、ARUKU先生の定番ですよね)。両親は生活保護レベルに貧乏で借金を背負っていて、結婚を考えている彼女もいるのに女性との行為を非常に辛く感じています。彼の不憫さは突き抜けたものがあって、「自分と重なる部分があって共感する」というわけじゃないんですが、他人事としてかわいそうで同情するのじゃなく、共鳴して泣けてしまいます。
ARUKU先生の作品はリアリティを追求するタイプじゃなく、ファンタジー要素のあるものもありますが、どこか共鳴して泣けてしまうんですよね。主人公は人がいいけどズルさも持っていて人間臭く、同じ境遇ではないけど「人生、生きづらい…」と感じている部分を代弁してくれているように感じます……。
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