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《新刊》『百年でただ一度だけ恋した』(ARUKU)レビュー!

そんな辛い逆境を生きる詩彦は、ちょっかいをかけてくる遊び人の同僚・弓崎から勧められた出会い系アプリに魔が差して手を出してみます。今まで詩彦が出会い系に抱いていたイメージと違って、やさしい世界! 動物のアバターがとってもかわいいし、ひとりでおうちで過ごすのも良しとするところもいいです。見てるだけでもほっこりします。


このアプリで詩彦は靴下ネコのアバターのミャオ君と出会って、まっすぐに好意を向けられて優しくされてどんどん惹かれていくのですが……。
と、ネタバレしたくないので、この先はぜひ本編を読んで楽しんでください。250ページ弱で長さもありますが、ARUKU先生のストーリーテリングでぐいぐい引き込まれて読まされてしまいます。感情は涙流すほどつらくなったり、ウキウキするほど楽しくなったりジェットコースターのように翻弄されます。


そして、どうなっちゃうの~?って思っていると、ジェットコースターが突然、宙に投げ出されてしまうような展開が…!? このARUKU先生の手のひらの上でころころと転がされるのが快感でクセになって、毎回期待しながら読んじゃううんです! ドMですね!


みなさんも、どうぞ、ころころと転がされちゃってください! 攻めが喉の焼けそうなほど甘い言葉を口にしたり、受けが「ぐすん」と言って泣いたり、くすぐったいような表現もクセになるはず。ポエムのようなモノローグもとっても心地よいです。初めて読む方も、辛くて息苦しいけど、キラキラした絵柄といいどこかおとぎ話のような超越した感覚を手綱に読み進めていけると思います。

《あらすじ》
真面目な会社員・詩彦は結婚を考えているかわいい彼女がいますが、夜をともに過ごしても虚しさを感じる日々。そんなとき、遊び人の同僚から同性限定の出会い系アプリを勧めらます。可愛い動物のアバターに牧歌的で箱庭ゲームのようなアプリの世界観で、「出会い系」の先入観を覆された詩彦は、そこで自分を理解してくれる「ミャオ君」と出会って仲良くなります。現実でもミャオ君と会うことになった詩彦は、その日のうちに彼に抱かれそうになり……? 本名すら知らない男との恋が、婚約者や両親のしがらみを捨てきれない詩彦の人生を確実に変えていくことに。

(文/牧島史佳)

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牧島史佳

BLに生かされてます!ハピエン好きだけど、作品が良ければメリバも読む(かもしれない)です。

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