小説

『美しい彼』(凪良ゆう/葛西リカコ)レビュー!

清居のほうが不憫であればあるほど、ニヤニヤ しちゃう!?

《解説》
萩原利久さん×八木勇征さんW主演ドラマ化が話題の『美しい彼』。原作は『流浪の月』が第17回本屋大賞を受賞した凪良ゆう先生のBL(ボーイズラブ)小説の代表作のひとつです。イラストは葛西リカコ先生が手掛け、『美しい彼』、『憎らしい彼 美しい彼2』、『悩ましい彼 美しい彼3』まで出ていて、今秋『interlude 美しい彼番外編集』も発売されました。


無口で友達もいない、クラス最底辺の高校生・平良(ひら)と、そんな彼が一目で恋に堕ちるクラスの頂点に君臨する王(キング)・清居(きよい)の2人を描くスクールカーストBLとなっています。


《感想》
凪良ゆう先生の作品は苦しくてしんどいなかのクソデカ感情の奔流に押し流されてしまうのですが、この『美しい彼』は苦しくてしんどい状況なのにフッと笑えてしまうところが魅力のBLだと思います。


平良の境遇は本当にしんどいものだけど、彼自身が悲劇の主人公を気取らずに諦観を持っているのが辛くもあり救いでもあります。そして、平良がネガティブだからこそ、清居に自分なんかが近寄ってはならない、自分なんかを寄せ付けないのが清居だと決め込んでいて、逆に清居のほうが平良に歩み寄ろうとして翻弄されちゃってる逆転現象が面白くてたまりません!

平良目線のときはやっぱり切なくてつらいなと思ったのですが、清居目線になるとニヤニヤが止まりませんでした! 清居のほうが不憫であればあるほど、ニヤニヤしちゃいます。お互いがお互いに執着してる関係って良いですねぇ! エロになると平良のネットリ執着さが暴走しちゃうのもニヤニヤしちゃいました!

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牧島史佳

BLに生かされてます!ハピエン好きだけど、作品が良ければメリバも読む(かもしれない)です。

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