樋口美沙緒／街子マドカ『愛の巣へ落ちろ！』レビュー！

蜘蛛の糸が緊縛だけでなく……！！エロがエロい！

傲慢だった俺様攻めが真の愛に目覚めていくのが嫌いな人はいないと思います。かわいくてピュアで強い受けによって、酷かった攻めが変化していくようすに萌えちゃうんですよね。

そして、前述したようにエロがエロいです！せっかく虫なんだから虫の性質を使わない手はない！タランチュラだから蜘蛛の糸が登場します。どんなプレイかBL好きなら察しますよね。そうです、緊縛です。受けが縛られちゃいます。でも！ それだけじゃないんです！ 糸が触手のような役目もするんです！ 緊縛は想像してたけど、触手って！ 樋口先生、天才かよ！ はい、天才ですね。緊縛で触手って、もう本当に美味しいです、ありがとうございます。街子マドカ先生のイラストは少女漫画路線の華やかさがあって綺麗で色っぽいですよ。

ひとつだけ注意してほしいのは、性モザイクというふたなりのような設定があり、妊娠要素があるので、その設定が苦手な方は注意してください。ただ、絶対に地雷で無理というわけじゃなければ、ドラマティックで面白くてエロティックな本作を読まないのはもったいないと思います！

また、読んでいるとメインカプ以外もキャラクターたちがいっぱい登場して気になってくると思うのですが、シリーズにはスピンオフがたくさんあります。この世界にハマったら、ぜひどんどん読んでみてください！ いろんなカップルが出てくるので、自分はどんな属性が好きなのか、知ることもできると思いますよ。

良い意味でわかりやすくて難しいことはなく、虫そのものが登場するわけでもないムシシリーズ、『愛の巣へ落ちろ！』。気軽にチャレンジしてみてくださいね！

《あらすじ》
ロウクラス種シジミチョウ科出身の翼は、テレビで颯爽とした姿を見て以来、ハイクラス種名家の御曹司で、タランチュラ出身の七雲澄也に憧れていました。ひと目彼に逢いたくて、澄也の通う星北学園に入学した翼でしたが、実際の澄也は下半身にだらしない嫌な奴で、開口一番「シジミチョウは嫌いだ」と冷たく切り捨てられてしまいます。あげくに、澄也の張った「巣」に捕らわれた翼は、強引に身体を奪われるはめに！ けれど、どんなに冷たい態度を取られても、翼は澄也を嫌いになれなくて……。

（文/牧島史佳）

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