アリス・オズマン『HEARTSTOPPER　ハートストッパー１』レビュー！

そして、ニックはニックで友情以上の気持ちが芽生え始めていることに戸惑っているようです。お互いに遠慮しつつ自分の気持ちが抑えられずにいる2人に、恋愛の高揚感があってどきどきキュンキュンしちゃいます。

ほかにもニックは主人公の相手の子はこうあってくれたらいいなという行動をとってくれます。お金持ちの子の誕生パーティでも、ニックはチャーリーにとって王子様のようです！

チャーリーが鈍くさい陰キャ男子じゃないところもいいです。実は運動神経がいいようですし、ドラムも演奏できちゃう、なかなかの隠れハイスぺでもあるようです。でも、自分には自信がないようで、ゲイであることに負い目を感じているのかもしれません。この先、2人がハッピーになれることを祈ってます。

また、同性愛者の女の子やアセクシャルなのかなと思うキャラクターが登場したり、「人のセクシュアリティを詮索するのは下品なことよ」と言ってくれる先生がいたり、いろんな立場や考えの人物が登場するのも好感が持てました。それでいて説教臭いこともないですよ。

ボーイミーツボーイの青春ラブストーリーに切なくもキュンキュンさせてくれる『HEARTSTOPPER　ハートストッパー１』。次巻を読むのが楽しみです！

（文/幸山桃子）

《あらすじ》
イギリスの男子校に通うチャーリー・スプリングは、ゲイであることをカミングアウトしていますが、そのことで酷いイジメを受けた過去を持っています。同じ学校に通う一学年上のニック・ネルソンはラグビー部に所属する優しくて明るいスポーツマン。ある日、偶然隣の席に座った二人はすぐに心を許せる友達になります。そして、チャーリーがニックを好きになるのに時間はかかりませんでした。自分にチャンスが無いことはわかっていたけれど……。でも、「恋」とは不思議なもので、ストレートのニックもまた、思いがけずチャーリーに惹かれていて……。

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