映画『劇場版 きのう何食べた?』(よしながふみ)レビュー〈3〉
おいしそうなお料理も人生模様もほっこりしみじみ
《解説》
レビュー〈1〉〈2〉に続き、西島秀俊さんと内野聖陽さんW主演の実写ドラマを映画化した『劇場版 きのう何食べた?』を見た筆者のレビューをお届けします!
同作はよしながふみ先生の大ヒット漫画、通称『何食べ』こと『きのう何食べた?』が原作。『きのう何食べた?』は青年漫画雑誌「モーニング」(講談社)に連載されている一般漫画ですが、よしながふみ先生は『ジェラールとジャック』や『ソルフェージュ』などBL(ボーイズラブ)コミックも手がけている人気漫画家です。
弁護士の筧史朗(シロさん)と、美容師の矢吹賢二(ケンジ)が描かれます。シロさんとケンジの恋人同士の穏やかな生活が繰り広げられ、原作漫画やドラマでも毎回登場する料理シーンも見どころになっています。
出演は西島秀俊さん、内野聖陽さんのほか、山本耕史さん、磯村勇斗さん、マキタスポーツさん、高泉淳子さん、田中美佐子さん、チャンカワイさん、奥貫薫さん、田山涼成さん、梶芽衣子さんらドラマシリーズのお馴染みメンバーが勢ぞろい! そして、新キャストとして松村北斗(SixTONES)さんも共演しています。
《感想》
深夜ドラマとして異例の大ヒットを飛ばし、最終回放送終了後には“何食べロス”となる人々が続出するほど人気を集めた実写ドラマ『きのう何食べた?』がファン待望の映画化です!
『何食べ』と言えばやっぱりお料理シーン! ファンの方も楽しみにしてると思います。原作でもドラマでも、毎回登場するお料理シーンと美味しそうな食卓は見どころのひとつですよね。それも肩ひじ張っていないカジュアルなもので、私にも作れそうと思わせてくれるのがいいです。
シロさんが倹約家なので特売品から献立を考えたり、特別な調味料を買いそろえなくても代用品を使ったり、そんなところも庶民的で現実的で共感しちゃいます。実際のお料理にも具体的に役立つ方法が出てくることも。劇場版では調味料を入れる順番で、水を最後にすると計量カップも綺麗になって洗う手間が省けるなど、なるほど!と思いました。
劇場版ではこれからの季節にピッタリのりんごのキャラメル煮やブリ大根、おせちの黒豆をはじめ数々の美味しそうな品々が登場します。シロさんだけでなく、ケンジとともに料理するときもあってほのぼの。ドラマでもよく見た、西島秀俊さんと内野聖陽さんのアドリブと思われるようなシーンは、撮影現場も楽しそうな様子が感じ取れてニヤニヤしちゃいました。
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