映画『劇場版 きのう何食べた?』(よしながふみ)レビュー〈3〉
とは言え、重くて深刻なわけじゃないのが、まさに『何食べ』の良さでもあります。人生、しんどいこともあれば楽しいこともあり、いろんなことが同時進行で起きていく。でも、おいしくて実のあるものをちゃんと食べて、日々を送っていけばなんとかなるんじゃないかな。そして、完璧な人間じゃなくても愛するパートナーが隣にいれば言うことなし! そんな風に前向きでふと軽い気持ちにしてくれる作品だと思います。
お料理も人生模様もほっこりとあたたかく心に沁みる『劇場版 きのう何食べた?』。毎日の食事や暮らしの大切さを、家族やパートナーがいる方はその存在のありがたみをしっかり噛みしめることができると思いますよ。ぜひ、観てみてくださいね。
《あらすじ》
町の小さな法律事務所で働く弁護士の筧史朗[シロさん](西島秀俊)はその恋人で美容師の矢吹賢二[ケンジ](内野聖陽)と生活をともにして日々を送っています。ある日、シロさんの提案で、ケンジの誕生日プレゼントとして「京都旅行」に行くことになります! 大好きな人と京都の町を歩くことに大喜びするケンジでしたが、旅行中にシロさんから、ある話を切り出されることに。この京都旅行をきっかけに、2人はお互いに心の内を明かすことができなくなってしまいます。
そんななか、シロさんが残業を終えて商店街を歩いていると、偶然、ケンジが見知らぬ若いイケメンの青年(松村北斗)と歩いているところを目撃してしまいます! 妙に距離が近い2人にシロさんはやきもきしますが、最近なんだか秘密を抱えている様子のケンジに聞くことすらできません。さらに小日向さん(山本耕史)からジルベールこと井上航(磯村勇斗)が居なくなったと相談を受けて…。
(文/牧島史佳)
クレジット:ⓒ2021 劇場版「きのう何食べた?」製作委員会 ⓒよしながふみ/講談社
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